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「稜アニ」とは?
- 青稜中学校・高等学校で新たに発足した同好会「青稜アニメーション」(通称「稜アニ」)。「アニメーション」を制作する部活動です。
青稜の「3C」(Challenge・Change・Contribution)に加え、もう一つの「C」である「Creativity」(創造性)を原動力として、日々、精力的に活動しています。 -
「稜アニ」のアニメーション制作
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制作過程(2023年青稜祭公開作品「寂寥」)
- 青稜アニメーションでは、本格的なアニメーション制作を目指しています。まだ人数も少なく、技術や設備も不十分な部分もありますが、あくまで「集団芸術」としてのアニメを念頭に置き、実際のアニメーション制作の過程を意識した「協働」的な活動を展開。今後、さらなる技術力の向上、組織の発展を目指しています。
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- 青稜祭作品は脚本は監督が制作し、コンテを切りました(次回の作品はコンペにて検討)。今回の作品では、時間の都合上、絵コンテの形にはせずに、実地で部員が演技をしつつ構図を決めていきました。(こうしたプロセスを経て、部員たちそれぞれが作品を解釈し、「全員」で作品を作り上げていく雰囲気を醸成していきます)
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- キャラクターデザイン担当の生徒が、脚本やキャラクター設定を参考にキャラデザを確定したら、作画に取り掛かります。実際の写真を参考にしつつ、アイビスペイントを使用して作画。各自が作画した絵を、Googleclassroomで共有します。(デジタルならではの利便性が発揮されます)
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- 将来のデジタル処理技術の育成も念頭に置き、Adobeのソフトを使用し本格的な動画編集を実践。今年度は、Animateを使用し8コマのアニメーションで映像を制作しました。また、アフレコは声優担当の生徒が声を吹き込みました。学校近くのレコーディングスタジオをお借りして、録音したのも貴重な経験となったはずです。
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設立初年度の「チャレンジ」
- 現在、上記のような活動をしている「稜アニ」ですが、発足初年度である昨年は、設立初年度ということもあり、非常にチャレンジングな年となりました。まず、相模原をロケ地として選定し、実写と手描きアニメーションを融合した実験的かつ野心的な作品「空想特撮映画『ストロマ』」の制作に取り組みます。また、同時に、他の団体(部活動)の紹介映像をアニメーションで制作することを提案(※提案段階で終了)、文化祭における各クラスの映画作品の告知映像を制作し、上映の幕間に流すことで文化祭全体の活性化を図ることを提案するなど、学校全体への「Contribution」(貢献)を常に意識しつつ、新たな活動の形を模索し続ける「Change」(変革)の1年でした。
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第1回クラウドファンディング
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- しかし、設立初年度は、活動を展開していくうち、新規参入の同好会ゆえの資金不足に直面した年でもありました。
もちろん、設立当初から予算がないことは承知でしたし、資金が確保できない中でも、フリーソフトや学校から貸与されている学習用iPadなどを工夫して活用、実写作品の器材や衣装などは各自で素材を持ち寄り自作するなど、お金をかけない代わりに、創意工夫を凝らして活動してきました。とは言え、そうした規模での活動だとおのずと表現の幅も限られてしまいます。無限の「想像力」を、作品という形で具現化していこうとする制作集団においては、「予算不足」という現実的な問題は、作品のスケールを規定する大きな「制約」となっていました。と同時に、予算さえあれば、もっと異なる表現が可能なのに・・・というもどかしさも常に抱いていました。
そこで、そうした可能性への「挑戦」として、クラウドファンディングという形で皆様のご支援を頂戴しつつ、この困難を乗り越えることを企画しました。第1弾では多くのの方のご支援を頂戴し、ようやくわれわれの「挑戦」が一つの実を結ぶこととなりました。誠にありがとうございます。(青稜祭発表作品のエンドクレジットにお名前を掲載させていただきました) -
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第2回 クラウドファンディング
- 第1回のクラウドファンディングでは、多くのご支援とともに、励ましのお言葉や激励のメッセージも頂戴しました。そうした支援者のみなさまとの「つながり」が、われわれの活動を励まし、時としてプレッシャーにもなり、さまざまな形で稜アニの活動を支えてくださいました。「創作」をする立場として、支援者の方の存在がこれほどまでに大きいという事実を実感したのが、第1回目のクラウドファンディングでした。
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支援者の方との「つながり」
- そして、支援者の方の存在が、創作活動にとって不可欠であることにも思い至り、引き続き第2回のクラウドファンディングをスタートすることに致しました。もちろん、慢性的な生徒会費不足の中、部員たちの溢れるアイデアを作品として具現化するには資金があまりにも乏しいという現実もあります。しかし、クラウドファンディングを通して、学校の外に開き、多くの方とのつながりを維持していくことが、制作集団としての「稜アニ」にとって必要なことだと考えています。支援者の皆様への「感謝」の気持ちを込めて、さまざまなリターンをご用意いたしましたので、ご支援の程、よろしくお願いいたします。
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稜アニからのご挨拶
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顧問のメッセージ 谷田貴之
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- 「稜アニ」誕生のきっかけは、青稜のゼミナール授業でした。私はアニメやマンガ、絵画の持つ「物語性」に着目し、その表現方法を考察、鑑賞、さらには自ら制作する講座を開講していました。たしか、アニメーション表現の持つ可能性について触れた授業の後だったかと思います。数名の生徒が私のもとを訪れ、アニメの制作を学校活動内でできないか、さらには「部活動」として活動できないか、という相談を持ちかけてきました。
当初は、顧問不足や生徒会費の逼迫、もちろん、個人的な業務のバランス…さまざまな現実的な条件を天秤にかけ、すぐに「いいよ」と答えることができずにいました。とは言え、彼らの熱意に気持ちが動かされ、気づけば彼らと同等、あるいはそれ以上に「自分たちの手で絵を動かし、物語を紡ぎたい」という思いに駆られるようになっていました。
もちろん、現実的な制約、とりわけ資金的な問題は何ら解決の糸口も見いだせないままのスタートではありました。実際に活動を開始したものの、作画は学校から貸与されたiPad、動画編集も単純につなげるだけの簡易なフリーソフトを使用したものでした。もちろん、そうした中で最大限の創意工夫をしてきたことも、彼らの創造性を刺激するよい経験ではありましたが、あくまで個人的な創作の域をでませんでした。
やはり、アニメーション制作の醍醐味は「集団による創作」です。脚本家、アニメーター、声優…それぞれの立場で作品を解釈し、具現化していく「チームワーク」を発揮する場にならないか、と考えるようになりました。ましてや、部活動であればなおさらです。ただ、そういった規模の制作に取り掛かるには、あまりにも予算が少なかった(むしろ無かった)のです。
そうした中、「S-Blue」の話が飛び込んできました。
「学校」の「部活動」という枠の中で考えているとなかなか思い至らない観点ですが、少し視野を広げて現実的な「創作」の世界を眺めてみると、「作品」と、その制作のための「資金」は切り離せないという事実があります。「資金」の多寡が作品の規模や質を規定するということも、さまざまな作品に触れる中で実感している事実でもあります。
そういう点では、資金を集めるところからすでに「作品制作」のプロセスはじまっている、とも言えるのではないか。私の記憶が正しければ、「稜アニ」結成のきっかけとなった日のゼミの授業でも、アニメ「SHIROBAKO」という作品におけるアニメーターの奮闘をを引き合いに出しつつ、日本のアニメーション制作の状況について(どちらかというと悲観的なニュアンスで)語った記憶があります。
クラウドファンディングという形で皆様のご支援を頂戴することは、「資金の確保」という短絡的な目的のためではありません。クラウドファンディングという経験を通じて、現代の創作シーンにおいては、資金を集めることも「創作」の一環だという側面を実感するとともに、「作品」のあり方と「資金」、そして「支援者」の関係(「つながり」)を実感するきっかけになることを期待しています。
また、何よりも「指導者」である顧問として、さらには彼らの「支援者」の一人として、あるいはともに創作をする「同志」として、クラウドファンディングを通した皆様との温かな「つながり」が、彼らの(私たちの)の創作の励みになることを期待しております。
僭越ではありますが、引き続き「稜アニ」の生徒たちの挑戦を、温かく見守っていただければと思っております。
青稜アニメーション顧問 谷田貴之 -
部長のメッセージ 藤田心
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- 去年の夏からようやくスタートした青稜アニメーション。新しい部活の設立には半年以上の交渉がありました。その為の書類なんて何枚作ったか数えられないくらいです(笑)。後ろ指も同じくらい指されました。
でも諦めなかった。その根底には部員達の、僕らの抑えられない創作意欲がありました。今、僕たちはその熱い想いを胸に抱えつつ、現実的で大きな問題、予算不足に陥っています。創作したくともそれが出来ない、この耐え難い気持ちを後輩達にさせたくない。その一心で僕らは先輩として、クラウドファンディングという大きな挑戦をしています。一億総クリエイターと言われるこの時代、僕たちのクリエイティビティは他の誰にも負けない作品を創りたいと叫んでいます。その為には皆様の支援が必要です。僕らの可能性に、是非とも支援をお願いします。
青稜アニメーション部長 藤田心